銅製品の機能性向上・高寿命化を実現するメッキ処理

銅製品の機能性向上・高寿命化を実現するメッキ処理

こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。

銅は金属の中でも多くの製品に活用され、さまざまな場面で活躍しています。そんなありふれた存在である銅にコーティングを施すことで傷や腐食から寿命を延ばす方法があります。それが「メッキ処理」です。銅製品はメッキ処理を施すことで、銅本来の性能を向上させることも期待できます。仮に銅加工の依頼をご検討中であれば、併せてメッキ処理の対応も視野に入れておきましょう。

今回は、メッキ処理について解説するとともに混同されがちな塗装との違いについても紹介します。

 

何の意味がある?メッキ処理の効果

メッキ処理とは表面処理の一種です。金属を使用して金属やガラス、プラスチックなどさまざまな製品の表面に薄い膜でコーティングをすることで、素材の強度や耐久性を高めることを目的としています。メッキ処理においては、下記の効果が期待できます。

その1:製品の価値向上

メッキ処理がされた製品は金属特有の光沢を帯びることで、より見栄えが良くなります。表面がキレイになることで製品そのものの価値も高まるでしょう。

 

その2:防錆・防腐効果

製品が金属の場合、時間が経つと共にサビや腐食が生じるリスクがあります。しかし、メッキ処理によって表面をコーティングでカバーすると、金属が空気と触れる機会が減ります。これにより、防錆・防腐効果が期待できるのです。

 

その3:機能性向上

メッキ処理を施すことで製品の機能性アップも期待できます。たとえば、製品自体の電気伝導率や熱伝導率が低かったとしても、メッキに使用する金属次第で元の金属にはなかった性能を高められる可能性もあります。

 

似て非なるメッキ処理と塗装

メッキ処理と混同されがちな手法として「塗装」があります。実際、どちらも表面をコーティングすることで、製品をより美しく仕上げたり、性能を向上させたりする手法です。しかし、この2つの手法では明確に「コーティングに使用される材料」が異なります。

塗装の場合、使用される材料は主に樹脂や油です。一方でメッキ処理は金属を使用します。つまり、金属によって表面をコーティングするということです。そのため、メッキ処理であれば表面処理をした金属の性質を備えます。塗装の場合はコーティングする素材が金属ではないので、金属の性質を生かすことはできません。

 

メッキ処理の種類一覧

金属を表面にコーティングするメッキ処理ですが、その種類は大きく分けて3つ存在します。ここでは、それぞれのメッキ処理の特徴を紹介します。

その1:電気メッキ

電気メッキは「電解メッキ」とも呼ばれており、電流を流すことでメッキ処理を施します。メリットは、その他の方法と比べて低コスト・短時間で加工が可能になる点です。また、さまざまな物質に対して実施できるメッキ処理方法でもあります。一方で、メッキの膜圧にバラつきが出る手法のため、複雑な形状の製品に対しては完成度が低くなるリスクが考えられるでしょう。

 

その2:無電解メッキ

無電解メッキは、電気メッキと異なり素材をくっつける際に電気を使用しないメッキ処理です。特徴も電気メッキとは対照的であり、メッキの膜圧が均一になるほか、複雑な形状の製品にも対応できます。一方で、コストがかさむケースも多く、処理に時間がかかってしまうことが懸念点です。

 

その3:置換メッキ

置換メッキとは、まず金属を溶解させたうえで溶けた部分と素材を付着させるメッキ処理です。置換メッキにより加工された製品は耐食性が高くなる一方、メッキの厚みは限定的となってしまいます。金属と製品の密着性も他の方法に比べると低めになります。

 

メッキ処理をおすすめする製品とは

金属によって表面をコーティングするメッキ処理は、さまざまな製品に使用されています。具体的にどんな場面で活躍しているのでしょうか。身近な製品を紹介します。

自動車外装

自動車外装では、さまざまな部分にメッキ処理が施されています。主な箇所として、バンパー・ドアノブ・ミラー・エンブレムなどのパーツが挙げられるでしょう。また、メッキに使用される金属には、錆に強い亜鉛や、傷への耐性があるクロムなどが主に使用されます。

 

電子部品

メッキ処理は、多くの人が扱うスマートフォンやゲーム機などの電子機器にも用いられています。スマートフォンの基板はセラミックが素材となっており、通常であれば電気を通さないものの、メッキ処理を施すことによって電気伝導率を高めています。

 

食器、衣類

ナイフ・フォークといった食器であっても、メッキ処理が施されているケースがあります。その理由は、金属の持つ抗菌性です。特に銅や銀、コバルトの抗菌性は高く、細菌の繁殖防止効果が期待されています。また、メッキ処理は繊維に対しても可能です。そのため、靴下には水虫予防効果を見込み、銅がメッキとして使用されるケースも見られます。

 

まとめ

今回は、金属を表面にコーティングするメッキ処理について紹介しました。適切なメッキ処理を実施すれば、製品の性能や価値を向上させることもできるでしょう。

「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社は、1935年に創業してからここまで、銅の加工を重点に置いてきました。豊富なノウハウを活用することで、完成度の高い加工を実現しているので、もし銅のメッキ処理をご検討中なら、畑鉄工株式会社までご相談ください。

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