Blog

ブログ

建築に銅を使うメリットは?

建築に銅を使うメリットは?

建築に銅を使うメリットは?

こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。

銅は食器や日用品などに用いられており、金属の中でも身近な存在として親しまれています。しかし、銅が建築にも数多く利用されていることは、あまりイメージにない方も多いのかもしれません。建築に使用される素材としては、木材・鉄・レンガなどのイメージが一般的ですが、実は銅も建築材としてさまざまな部分に利用されています。

今回は、銅を建築に使用するメリットや、実際どのような部分に使われているかについて、詳しく紹介いたします。

銅は建築物のどんな箇所に使われているのか

銅は一般的な家屋やオフィスよりも、大聖堂や城など歴史的価値を持つ建築物に多く使用されてきた歴史があります。用途もさまざまであり、屋根、壁被覆、ドーム、尖塔(せんとう)などの部分に使用されています。

日本で銅を使用した建築物として、代表的なのが神社・仏閣でしょう。金属屋根にはガルバリウム鋼板を用いるのが一般的ですが、神社・仏閣の屋根には銅を素材とした「銅板葺き屋根」が使われているケースも多く見られます。

多くの神社・仏閣の銅板葺き屋根は、銅独特のサビである「緑青」に覆われ青緑色になっているのが特徴です。いわゆる「銅」を連想させる色ではないため、屋根を見ても銅が使われていると気づかない方は多いかもしれません。

しかし、緑青で覆われた「銅像」は、多くの方にとって馴染みがあるでしょう。特に日本三大仏の1つである「鎌倉の大仏」は、青銅(銅、錫、鉛などの合金)を素材としている建造物であることは有名な話です。海外では、「自由の女神」の建造にも青銅が用いられています。

建築における銅の機能的メリット

歴史的巨大建造物に多く用いられてきたように、建築における銅の使用は、多くの機能的メリットをもたらします。銅の持つ代表的な特徴について、3つ紹介します。

高い耐久性

銅の強みとしてまず挙げられるのが、耐久性の高さです。たとえば、銅を素材とした「銅板葺き屋根」は、雨や地震などに対して高い耐久性を発揮し、建物を守ってくれます。先に紹介した神社・仏閣に銅板葺き屋根が使用されている理由としても、この耐久性の高さが大きく関係していると言えます。また、銅は洗浄やメンテナンスの必要性が低く、手入れが難しい場所の素材に適しているのも持ち味です。

優れた耐腐食性

銅は鉄やアルミニウムなどの金属と比べて、耐腐食性に優れている点も見逃せません。銅は変色が起こりやすい金属のため、耐腐食性が弱いと考える方もいるでしょう。しかし、実際には銅表面が変色(酸化膜の形成)することによって、金属内部を腐食から守っています。こうした優れた耐腐食性は、耐久性の高さにもつながるため、建築において見逃せない長所です。

トップクラスの抗菌性能

銅は金属の中でも、トップクラスの抗菌性能を持っており、インフルエンザやノロの原因となるウイルスを不活化させる効果があります。この性能を活かし、銅は建物の給水管や給湯配管に用いられるのが特徴です。建物を利用する人が安心して水道水などを使用するうえでも、銅は大いに活用されています。

銅は経年によって見た目が変わる?

銅と言うと、「赤橙色」をイメージする方が多いのではないでしょうか。実際、本来の銅は美しい赤橙色をしており、光沢を持っているのが特徴です。しかし、時間が経つにつれ光沢は薄れ、銅の色は以下のように変化していきます。

<銅の色の変遷>

赤橙色→褐色→暗褐色→黒褐色→緑青色

褐色や暗褐色については、10円玉がこの色をしている場合が多く、イメージしやすいでしょう。緑青色になった銅は、前述した神社・仏閣など、銅像や歴史的建築物で見ることができます。

銅は経年によって変色していきますが、金属自体は腐食に強いため、色が変わったとしても建物の劣化につながるわけではありません。こうした色の移り変わりは、銅ならではの風合いや趣だと言えるでしょう。

主な銅合金の特徴

建築に使われる銅は純銅だけでなく、銅合金も使用されています。銅合金は、種類によって見た目や機能が異なることが特徴です。代表的な2つの銅合金について紹介します。

黄銅

黄銅とは、銅と亜鉛を混ぜた黄金色の銅合金であり、「真鍮」とも言われる金属です。加工のしやすさは銅を上回り、サビにも強い性質を持っています。水洗トイレの給水管などに用いられており、純銅と比べて建築においてはアンティークのような深い味わいを醸し出します。

青銅

銅とスズ、もしくはリンを混ぜた銅合金が「青銅」です。酸化することで生成される青緑色が特徴であり、真鍮と比べて海水に対しての耐食性に優れているため、海辺の建築物に向いていると言えるでしょう。また、銅とスズを混ぜた「すず青銅」はばね特性が高く、銅とリンを混ぜた「りん青銅」は強度・硬度が高いなど、種類によって強みが異なるのも青銅の特徴です。

まとめ

今回は、建築に銅を使うメリットや特性ついて紹介しました。銅は耐久性や抗菌性の高さから、建築素材としても高い性能を発揮してくれます。銅葺き屋根は一般的な家屋だと珍しいですが、歴史ある神社・仏閣では目にできる可能性が高いため、訪れる機会があれば確認してみてください。

「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社では創業から80年以上、こうした多くの優れた特徴を持つ金属である、銅の加工に特化してきました。会社には高い技術を備えた職人が多数在籍しており、さまざまな加工に対応しています。銅の加工を検討する場合は、ぜひ畑鉄工株式会社までご連絡ください。

無料プレゼント
銅加工.com監修銅加工ガイド

さらに銅加工について知りたい方は
こちらより資料がダウンロードできます。

  • 材質別、熱伝導率を比較すると見えてくる銅の「コスパ」
  • ケーブルに銅が使用される理由とは?金属の電気伝導率の比較
  • 同じ銅でも色が違うのはなぜ?銅の経年変化を解説します

など、あなたのお困りごとに関係する
銅にまつわる基礎知識を凝縮した必見資料です

氏名
ふりがな
電話番号
メールアドレス
メールアドレス(確認用)