加工前に知っておきたい!重さと直結する銅の密度
こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。
金属にはさまざまな種類がありますが、それぞれの密度がまったく異なることをご存知でしょうか。金属の密度は重さに大きく関わってくる要素であり、加工の際にぜひとも把握しておきたいポイントでもあります。金属それぞれの密度を正確に理解すれば、加工に適した素材も分かるため、依頼をよりスムーズに進められる可能性もあるでしょう。今回は、銅を含めた金属の密度について解説するとともに、高密度の金属の特徴についても紹介します。
金属によって異なる密度
金属には非常に多くの種類があり、性質もそれぞれ異なります。重量に直結する密度もその一つであり、金属の種類によっては同じ大きさでも実は数十グラムの差が生じています。
金属の中で、もっとも密度が高いとされているのが「オスミウム」です。密度が高ければ、それだけ高い耐久性が期待できるため、オスミウムは合金の材料として使用されたり、万年筆に利用されたりするなどの用途があります。
一方で、もっとも密度の低い金属が「リチウム」です。水の約半分程度の密度しかないリチウムは、「レアメタル」と呼ばれる物質の1つであり、電池の主要材料として電気自動車やスマートフォンのバッテリーとして使用されています。また、オスミウム同様に合金として使用されるケースもあります。
このように、金属の中でも密度はそれぞれ大きく異なるのが特徴です。金属加工を検討している場合は、どんな用途を想定しているかを把握したうえで、適した密度の金属を選ぶようにしましょう。
金属の密度一覧
前述したように、金属はそれぞれで密度が異なるのが特徴です。ここでは、各金属の密度を一覧表にしています。金属それぞれの具体的な密度を確認しましょう。
金属 | 記号 | 比重・密度(g・cm-3) |
---|---|---|
リチウム | Li | 0.534 |
アルミニウム | Al | 2.6989 |
チタン | Ti | 4.54 |
亜鉛 | Zn | 7.13 |
スズ(錫) | Sn | 7.31 |
鉄 | Fe | 7.874 |
銅 | Cu | 8.96 |
銀 | Ag | 10.5 |
鉛 | Pb | 11.35 |
金 | Au | 19.32 |
白金 | Pt | 21.45 |
オスミウム | Os | 22.57 |
金属ごとで比較すると密度には大きな差があります。その中でも銅は高過ぎず低過ぎない数値だと言えます。しかし、多くの方が慣れ親しんでいる鉄より密度が高く重いため、手に取ってみた際の印象としては「思ったより重い」と感じるケースが多いようです。
密度が高い金属の特徴
各金属の密度を紹介しましたが、高密度の金属の場合、加工にどんな影響があるか気になる方もいるでしょう。例外はあるものの、高密度の金属は加工にあまり適していない傾向にあります。
理由として、密度が高く重さのある金属を使用すると、加工物の重量も当然増加します。その場合、搬送のコストも上昇する可能性があるのです。加えて、動力エネルギーも多くなるため、経済的とは言えません。
金属材料は、ただでさえプラスチック材料に比べると重い傾向にあります。たとえば、プラスチックと同じ体積であったとしても、アルミであれば約2倍、鉄であれば約6倍もの重さになります。
一方で、密度が高く重量のある金属の特徴は、強度が高い点です。そのため、もしも加工物にかかるコストを下げたいのであれば密度の低い金属を、耐久性を重視したいのであれば密度の高い金属を選択することをおすすめします。
銅は金属としての性能は高いものの加工には技術が必要
製品の材料選びにおいて金属を選択する際は、強度を求めるケースが多いでしょう。その場合は、鉄よりも高い密度のため重量感がある「銅」が選ばれる傾向にあります。銅はほどよい重さに加えて、熱伝導率の高さが特徴だと言えます。アルミと比べても熱伝導率が高いので、同レベルの伝導率を望む場合は圧倒的に小さくできるのが利点です。
銅はその他にも、多くの性質を備えています。熱伝導率・電気伝導が高いことに加えて、抗菌性を備え食器などにも扱われる金属です。こうしたあらゆる特徴により、銅は金属加工で活躍する機会の多い素材となっています。しかし、銅の性能の高さは折り紙つきですが、柔らかくて粘っこい性質があるので高い加工技術が必要になることも覚えておきましょう。
まとめ
今回は、加工の依頼を行う前に知っておきたい金属の密度について紹介しました。加工にも適した金属の密度が存在します。鉄より少し重い銅は加工の難易度は高めですが、熱伝導率や抗菌性などもろもろの性能が高い点が長所です。もし、現在銅の加工を検討しているようなら、豊富な経験と高い技術を備えた業者へ依頼すると、完成度の高い成果物を実現しやすくなるでしょう。
「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社では、1935年の創業以来、主に銅に重点を置きさまざまな加工に対応してきました。豊富な経験から培った加工のノウハウを活かし、希望に沿った加工物の完成をお約束します。もし銅加工の依頼先を探しているようなら、畑鉄工株式会社までご相談ください。