アルミ断熱シートを使った住宅の断熱効果とそのメリット
近年は、30年前と比べて、最高気温が35度以上の「猛暑日」が確実に増えているそうです。【気象庁 | 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化 (jma.go.jp)】
暑さが厳しい日は、できるだけ外出は避けて、自宅で過ごしているという方も多いでしょう。とはいえ、外からの影響で、室内も「暑い」「心地よくない」とお悩みではありませんか。
快適な室温を保つために重要となるのが、断熱。日光や外気の熱が室内に入るのをどうやって防ぐかがポイントになります。そこで、注目したいのが、ホームセンターなどで見かける「アルミ断熱シート」です。
アルミニウムについて
私たちが目にするアルミの製品は、銀色ですが、もともとの原料は「ボーキサイト」という赤茶色の鉱石です。薬剤で酸素と結合させると、白色の「酸化アルミニウム」になります。さらに、電気分解で酸素を排除することで、銀色の「アルミニウム」ができあがるのです。軽量で加工がしやすく、熱伝導率の高さが鉄に比べて3倍もあります。そのため、冷えやすい性質を持ち合わせており、冷暖房や放熱フィンなどの装置にも利用されています。
アルミ断熱シートとは
アルミ断熱シートは、その名の通り、アルミニウム(アルミ)を利用した断熱材です。アルミとアルミの間に、空気層を含んで作られているのが特徴です。
アルミ断熱シートのしくみ
なぜ、アルミとアルミの間に空気層を含ませるのでしょうか。それは、気体は固体よりも熱が伝わりにくいという性質を利用し、外気の熱が室内に伝わるのを遅らせるためです。
つまり、アルミ断熱シートには、熱伝導率が高い「アルミニウム」の冷えやすい性質によって、室内の冷房効果を上げる効果と、熱伝導率の低い「空気層」を含ませることで、外からの熱が室内に伝わるのを遅らせる効果の両方があるのです。
遮熱シートとは何が違う?
「遮熱」と書かれたアルミシートを見たことはありませんか。遮熱シートは、アルミ箔を貼り付けることで、日光を反射して熱の侵入を止める製品です。断熱シートとの違いは、熱を防ぐ仕組み。それは、熱の伝わり方と関係しています。
熱の伝わり方について
熱の伝わり方には、「伝導」と「対流」「輻射もしくは放射」の3つがあります。
「伝導」は、温度が異なる物質の間で、熱が移動する現象。
「対流」は、液体や気体が移動することで、熱が生じる現象。
「輻射(ふくしゃ)」は、電磁波により熱が他の物質へ放射される現象。
断熱シートは、「伝導」「対流」による熱を防ぐため、遮熱シートは、「輻射」による熱を防ぐために作られた製品です。どちらも外気の熱から家を守るという役割は同じですが、仕組みが異なるため、どの熱に作用するかが違います。
効果的な使い方は?
住宅の中で最も熱の出入りが激しいのは、「窓ガラス」といわれています。断熱シートを窓の内側に貼ると、外の暑さが窓から室内に伝わるのを遅くすることができて、冷房の効果も高まるというメリットがあります。
熱の伝わりを「遅くする」のが断熱シート、「止める」のが遮熱シートですので、その違いを上手くいかして、両方を併用するのがおすすめです。窓には断熱シートを貼り、直射日光が降り注ぐ屋根や壁には遮熱シートを設置すれば、家全体の断熱・遮熱効果が期待できます。
まとめ
外の暑さを避けながら室内で快適に過ごすには、日光や外気の熱から住宅を守るための工夫が必要です。世の中には、さまざまな住宅の断熱製品がありますが、用途や効果はもちろん、使われている素材の特徴にも注目すると、快適なお部屋づくりへの近道になるかもしれません。
銅加工・金属加工の株式会社ハタメタルワークスは、素材の特性をいかした加工を得意としています。銅加工、金属加工のご相談は、お気軽に当社までお問い合わせください。