覚えておいて損はない!?プレス加工の基礎知識
「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社の畑です!
以前のブログで何度か触れてきましたが、みなさんは「プレス加工」についてどれくらいご存知でしょうか?
プレス加工は「金型」と呼ばれる上型・下型の2つのパーツで銅板などの素材を挟み、型どおりに抜いていく加工方法です。銅加工をはじめ大量生産に適した製造法で、日本が誇るものづくり品質の高さはこの基盤技術から成り立っていると言っても過言ではありません。
今回のブログでは、このプレス加工に関する基礎知識をご紹介します。
プレス加工の種類について覚えておきましょう
プレス加工には、以下のような種類が存在します。
・せん断加工
・絞り加工
・曲げ加工
・圧縮加工
・鍛造加工
それぞれ特徴が異なるため、以下で詳しく解説していきます。
せん断加工
プレス加工の中でもよく使われるのが、素材を切ることを目的とした「せん断加工」です。素材をダイ(凹型の工具)と呼ばれる下の金型に乗せ、パンチ(凸型の工具)と呼ばれる上の金型でプレスすることで素材を打ち抜いたり切り取ったりします。切り口の面の精密性によって「普通せん断」と「精密せん断」に区別され、そり、ダレ、バリ(かえり)が少ない精密せん断は、付加価値の高い工法としてさまざまな方法が開発されています。
絞り加工
「絞り加工」は、平板である素材に凹凸を作るために用いられる加工方法です。銅などの金属やプラスチックの板を容器状にする際によく使用されます。「しごき」といわれる、容器を薄く伸ばす工法と併用されるのが一般的なやり方で、「円筒絞り」「角筒絞り」「異形絞り」などが絞り加工の代表的な種類です。絞り加工の際には接合などの加工を行わず、金型に金属板を押し込む(絞り)ことできれいな形を作り出します。
曲げ加工
素材を折り曲げる際に使用されるのが「曲げ加工」です。金型に沿って素材である銅板などに強いプレスをかけ、片側を圧縮することで反対側を伸ばします。みなさんの「肘」や「膝」をイメージしていただければわかりやすいかもしれません。曲げ加工の中には、素材を曲げる「折り曲げ加工」のほか、丸い曲線の形に曲げる「カーリング」、容器の形に膨らませる「張り出し」などがあります。
圧縮加工
素材をプレスすることで圧縮させるのが「圧縮加工」です。圧縮加工にはさまざまな技法があり、一定に厚みを保った状態で素材の形を整えていく「寸法決め」や、型に素材を通すことで形の寸法を決める「押し出し」などがあります。断面を加工する「据え込み」や銅板などの板材を圧縮させ小さくする「すくめ」も圧縮加工の一部です。
鍛造加工
「鍛造加工」は「つぶし加工」ともいわれる、線材の一部を金型に押し当てプレスすることで変形させる加工法です。一般的には抜け止めとして使用されます。鍛造加工の中には「スターつぶし(十字つぶし)」「耳だしつぶし」「平つぶし」といった種類があります。
まとめ
今回は、銅加工・金属加工の際よく利用されるプレス加工の種類についてご説明しました。それぞれのプレス加工方法には特徴があり、お客様の要望によってベストなプレス加工は異なります。
プレス加工は、「金型さえ作ってしまえば短時間で連続して同じものが作れる」という特徴を持っています。部品を大量生産したいときなどには最適な加工方法であり、それゆえ現在も自動車関連産業をはじめ、世界中のあらゆるものづくりの現場で大活躍しているのです。
「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社ではプレス加工をメインの加工法としており、セットプレス機、油圧万能プレス機、ブレーキプレス機などの機械設備を使って高度なプレス加工にも対応しています。銅加工による試作品やコスト削減などをお考えの方は、お気軽にご相談ください。