軽くて強い【アルミニウム】の特性とは?

軽くて強い【アルミニウム】の特性とは?

宇宙服、1円玉、パラボラアンテナ――これらに共通することは何か、おわかりですか?

答えは、アルミニウムが使用されていること。軽くて強いアルミニウムは、私たちの生活に欠かせない、大変身近な金属です。知っているようで、深くは知らないアルミニウム。今回は、アルミニウムの優れた特性についてご紹介します。

アルミニウムとは?

そもそもアルミニウムは、ボーキサイトという鉱石から製錬される金属です。ボーキサイトは1821年に南フランスで発見された赤褐色の鉱石で、酸化アルミニウムを主成分としています。ボーキサイトから酸化アルミニウム(アルミナ)を取り出し、電気分解して製造されるのが、アルミニウム(以下、アルミ)です。

自然界では、鉱物や土壌の中に化合物として存在していますが、金属としての歴史は浅く、わずか200年あまり。製造の工業化にいたっては、まだ130年ほどしか経っていません。

紀元前から使用されていた鉄や銅にくらべ、まだまだ若い金属といえるアルミですが、数々の優れた特性により、急速に利用が広がることとなりました。

アルミの優れた特性とはどのようなものか、具体的にみていきましょう。

アルミニウムの特性

軽い

まず挙げられるのは、アルミの軽さ。鉄の比重が7.8、銅が8.9であるのに対し、アルミはなんと2.7。約3分の1というから驚きです。この軽さを生かし、自動車や航空機などの輸送機器や、建築物の構造材料として幅広く使用されています。

強い

純度99%以上の純アルミニウムは柔らかく変形しやすいため、ほとんどのアルミ製品には、他の金属を加えて強度を高めた「アルミニウム合金」が使われています。銅やマンガン、マグネシウム、ケイ素などの金属を添加しますが、加える金属の種類によって、性質も変化。用途に適したアルミ合金を利用することで、さらに質の高い製品を作ることができます。

サビにくい

汎用性の高さが魅力のアルミですが、その理由に、サビにくいことが挙げられます。活性な金属であるアルミは、空気中でつねに酸化が進行。表面に薄い酸化皮膜を形成します。この皮膜がバリアとなり、サビを防止するのです。サビやすい環境にある建築、船舶、海洋開発などの分野では、欠かせない金属です。

熱・電気を通しやすい

アルミは熱や電気を通しやすい性質があります。同様の性質をもつ金属に銅がありますが、銅はアルミに比べてコストが高いです。アルミは銅の代替金属としても利用されます。高電圧の送電線にも採用されており、導電体としてエネルギー関連やエレクトロニクス分野での需要も高まっています。

磁気を帯びない

電気を通しやすいアルミですが、同時にアルミは非磁性体。磁場に影響されることはありません。電子医療機器や船舶の計測機器の部品に用いられるなど、正確性が求められる領域で、重要な役割を担っています。

加工・リサイクルしやすい

原子密度の高い面が多い「面心立方構造」という結晶構造をもつため、加工しやすいのもアルミの特徴。アルミホイルのような薄い箔や、複雑な形状の板材・線材への加工が比較的容易です。また、酸化しにくく融点が低いため、簡単にリサイクルできます。品質もほぼ落ちることはなく、リサイクル時に必要な電力は、作る時の3~5%。省エネ性に優れ、経済的です。

まとめ

今回は、アルミニウムの特性についてご紹介しました。

人間にさまざまな性格があるように、金属にもさまざまな特性があります。

アルミの特性を生かした製品が、私たちの未来を、さらによりよく変えていくことでしょう。

アルミの歴史は、まだ始まったばかりなのです。

高品質なアルミニウム製品がご希望でしたら、銅加工をはじめ金属加工を手がける「株式会社ハタメタルワークス」へお気軽にご相談ください。

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